長野県バス事故、犠牲者のプロフィール報道ばかりが目につく

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一生でいちばん楽しい時に終わってしまった命

1月15日未明に起きたスキーバス転落事故で

犠牲になったのは、20歳前後の若者ばかりでした。

私も同じくらいの歳に(大昔)

車中一泊の激安スキーツアーバスに乗ったことがあります。

体力まかせの節約術です。

 

そんな人生でいちばん輝いているといってもいい時期真っ盛りの、

何の落ち度もない若者12名があっけなく即死してしまいました。

心からご冥福をお祈りいたします。

 

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この事故は本当に悲劇以外の何物でもありません。

ですが、情報番組などが必要以上に犠牲者のプロフィールを晒すのはなぜなんでしょう?

顔写真、学校名まで当然のようにガンガン晒す。

 

今回の事故では、

早稲田大学在学のカップルが特に注目を浴び、

ふたりの内定先の企業名まで晒されています。

 

そこ、そんなに必要な情報ですか?

 

例えば殺人事件などは、

被害者の人物像が事件に関係することもあります。

被害者が身を置いていた環境や人間関係など、

ある程度は報道されてもいたし方ない場合があります。

でも、今回のような事故は被害者の事情や人物像など関係ないです。

 

世間はこういう悲劇の犠牲者のプロフィールの暴露を求めているのでしょうか?

世間の大半は被害者と何の縁もなく、いわば他人事なのです。

 

不謹慎かもしれませんが

SMAP解散危機とか、ベッキーの不倫騒ぎとかと同じような感覚で報道しているんじゃないの?

とさえ思ってしまいます。

こんなに優秀で誰からも愛された前途ある若者たちが犠牲になりましたと

これみよがしに報道しても不毛な気がします。

そんなに、お涙頂戴特集がしたいのでしょうか?

こんな言い方、ほんと不謹慎ですが。

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それより、もっと掘り下げて欲しいのは、

この事故の背景です。

 

運転していた65歳のドライバーの事情の方が

私としてはよっぽど気になるのですが、変ですか?

この人を責めるとかじゃありません。

それは世間も同じでしょう。

このドライバーがどうしてこういう事故を引き起こしてしまったのか?

 

この年齢で、乗客がたくさん乗ったバスを深夜に運転させられて、

それも慣れない大型バスで、慣れない道を運転していたドライバー。

バス運行会社は国が定める最低金額を8万円も下回る金額で契約を結び、

運転手たちの健康状態も把握せず、このドライバーの親族すらわからないらしい。

 

国が規制緩和で企業に競争を強いた結果

このシワ寄せがどこに行くかを、どうして予見できなかったのでしょうか?

まず、削られるのは人件費です。

従業員が減らされたり、低賃金で雇われたりして

経営がズサンになるのは目に見えているのに。

また、そういう体質の会社でなければ格安ツアーなんてやってられないのかも。

そして本来は定年退職して、悠々自適に過ごすはずの年齢なのに、

たくさんの命を預かる緊張感ハンパない仕事を、

ましてや夜を徹して、

日雇いのような雇用形態で、

しかも低賃金でやらざるを得なかった人。

本当はやりたくなかったのに、

そんなこと言ったらたちまち干されて生活に困窮する。

 

そんな事情が絡みあった結果、今回の事故のように、

これから国を支えていくであろう若者の命が犠牲になってしまう。

この国は何がいちばん大事なのかわかっていない!

お涙頂戴報道が、少しでもこの理不尽さを浮き彫りにしてくれるならいいんですが。

 

犠牲者となってしまった大学生の盛大な葬儀、詰めかける参列者、

気丈にふるまう家族と故人との思い出を語る友人。

そんなシーンに食いつくマスコミ。

一方、孤独なドライバーはご遺体の引き取り手のあてすらないのです。

 

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